適正賃料の考え方は事業提案をするうえで、ウェイトの高い根幹部分となります。
高ければクライアントが付かず、長期空室化し、収入のない事業となり、
安ければ投資に見合う資金の回収ができず、
収入があっても利益の出ない物件となってしまいます。
こういうことのないよう事業プロジェクトの提案段階において、
- 周辺相場のリサーチ
- 必ず掛かるコストの算出(限界賃料の算出)
- 投資事業をした場合、その土地が生む収益の計算(土地だけの活用)
- 建物に投資した場合、何年で資金回収でき、何年目からいくらぐらいの利益を生むかの計算
- 根拠を明確に述べられること
- 目で見て判断できるデータを作成すること
- 将来にわたり15~20年後の事業推移を予測すること
この7点は不動産コンサルタントを行う上で、必須の提案力となります。
事業計画
不動産事業を進めるにあたり、物件は1個1個まったく違う性質を持っているのが不動産です。
隣の事業、ご近所さんの事業と同じことをすれば、同じ結果になるものではなく、
むしろ最大限の差別化を図らないと成功しない分野です。
そこで、事業計画において事業者である貸主様のお考え、
これは本人でもあまりよく気づいていないことが多く、
面談を繰り返しながら段々と“思い”の本質が見えてくるものです。
相談当初と事業開始では大きく変わっていることも稀ではありません。
この思いを基本の軸として仮説を立てます。
- どんな事業がマッチするのか?
- どこにいる人達が必要とするのか?
- そこに来るまでにどの道を通ってくるのか?
- 何を誘致すると地域が活性化するのかなどをイメージし、その地域やその場所に合った物を探っていきます
ある程度業種が固まり、賃料条件が見えてきたところで
情報発信であるリーシング活動が開始されます。
その後、多岐にわたるクライアント企業より条件・交渉などの関心がよせられ、
0からの事業計画がスタートします。
誘致するテナントが繁盛しないと、事業は成立しません。
契約までの道のりは長く、ひとつひとつ確実に同意を取り付け、
納得のいくまで説明を繰り返し、後日、誤解や錯覚、解釈の違いのないよう、
事前に綿密な確認作業をしていくのもコンサルタントの技術と言えるでしょう。
引き渡しというゴールまでの道のりは壁だらけです。
数年の月日をかけてもまとまるのは、
この事業の参加者全員が同じゴールを目指しているときだけです。